レポート | 完成後記 |
このHP開設当時、亭主から1コーナーを押し付けられて、何が何だか分らない状態で「紀子のひとりごと」を書き始めたのが昨年2月。その始めには“自分の名前が無いままに存在している専業主婦の悲しさや恐怖”なんてことをぼやいてみたり、「自分の中の子供」の巻では“〜デモをすこしずつ作っているのだけれど、飴と鞭の極意をもって自分の子育てをしているミュージシャンにその子供を解放して思いっきり演奏してもらいたいな。そしたら私、うれしくて泣いちゃうかもしれない。”なんてことを書いていましたが「そんな文章を公にして一体何になるんだろう」なんていう疑問やら、心の中を暴露してしまった気恥ずかしさやら、なんとも複雑な心境でした・・・が、それから2年も経たない今、何の確証もないDemo制作に“飴と鞭の極意をもって自分の子育てをしているミュージシャン”が大勢参加してくださるようなことが実現したのは夢のようです。その上、Mixerの小林 敦氏が丁寧なMasteringで一層完成度を上げて下さいました。だから本来Demoというのはセールスのための宣伝材料なのでしょうが、私にとってはそれ以上の意味を持つ大切なものになりました。 「“パレードに参加しよう”っていう一見健康的な詞は、実は“ハーメルンの笛吹き”の感じで・・・行き先が天国か地獄か分らないんです(?)」なんていう的を得ない説明に、すぐ納得して一瞬にして淫靡なコーラスに切り替えてくださった比山貴咏史氏。音符と詞を同等に理解した上で驚異の繊細さで民族楽器・ギターをダビングしてくださった田代耕一郎氏。「エロティックなシェイカーが欲しい」という注文に、その曲のためにわざわざシェイカーを作って再度演奏してくださった菅原裕紀氏。アンプから音が出せない悪条件の中、出来る範囲での最高の音を苦心して作って6曲も参加してくださった角田 順氏。テンションだらけのコードを初見で!?「丸山圭子とデオダートの中間のボサ・ノヴァ」なんていう、これまた意味不明なオーダーに笑いながら応じて下さった萩谷 清氏。小野リサのツアーが終わった翌日のお疲れのところを訪問してくださった、お兄ちゃん的存在・加瀬 達氏。洪水のようなインプロビゼーションの技を披露してくださった渕野繁夫氏、平均率チューニングのシンセと生楽器のコラボレーションの難しさ、平均率と純正律の話は勉強になりました。私の今後の方向性を示唆してくださる貴重なアドバイスとファンキーな唄でお手伝いいただいた藤本健一 氏。ギターソロの時に身体を揺らすたびにアクセサリーの音が入って・・・それがまた良い効果になりました!「じっくり納得するまで作り込むのが本来の音楽の形なんだから、こういう自宅録音はすごくいいと思う」と励まして下さった小島久政氏。プライベートでは楽しい遊び仲間、そしていつの間にか頼もしい中堅ミキサーに成長した小林 敦氏。そして私をミュージシャンとして扱ってくれた平岩嘉信に心からお礼申し上げます。 |
子育て休業中に仲よくなったので、働く小林氏を見るのは私がスタジオで唄い始めてからでした。真面目にミキシングをしている姿は普段とは違うプロの顔!自宅録音ということでミキシングをお願いできませんでしたが、マスタリング作業でメリハリのあるSell-CDも真っ青の音に仕上げてくださいました。 遊びに行けば必ずいる変幻自在な生活を改めて、ちゃんと寝ろよ! |